報告書

フロンティア研究センターの成果報告と将来計画(案)

平成21年9月24日

1.概要
フロンティア研究センターにおける教育・研究成果(平成18年~20年度)を評価し、平成21年度から22年度の約2年間の研究体制・計画と改革方針(案)を報告する。また、平成23年度からの将来の取り組みと改革方針(案)についても報告する。

 

2.教育・研究成果
2.1 教育成果(大学院生の指導と人材育成)

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博士後期院生の学位授与累計数80名、研究指導累計数118名の高度技術者を育成した実績により、平成21年度も博士後期38名、博士前期99名が在籍している。平成18年度から20年度の7研究部の博士後期研究指導総数は135名(=45+46+44)であり、研究部の同総数701名(別調査)に対して約20%(5分の1)を占めており、博士前期院生についても、同様の人材育成成果を上げている。よって、各研究グループはセンターの大学院生の研究指導と人材育成に対して、十分な貢献をしているといえる。

 

2.2 外部資金獲得成果(研究成果)
            
表2 外部資金獲得成果の推移表

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2.3 研究成果まとめ
1) ナノテクノロジー研究部門

・大野研究グループは、ミリ波デバイスと微小構造半導体プロセス技術を確立し、微小領域の光工 学である「プラズモニクス」の国際的先端研究を推進。優れた業績を残した研究者に贈られる電子通信情報学会フェローの称号を授与。総務省プロジェクト「窒化ガリウムを用いたミリ波通信用ICチップの研究開発」の代表。
・村上研究グループは、表面改質を施した材料の透明導電膜、強度,摩擦摩耗特性の解明技術を確立。Nedo「スマート材料の省エネルギー型製造プロセスの開発」の代表で事業化推進。複数学位を与える国際連携大学院教育の創設、英語による大学院工学教育コースの開設とグローバルな高度専門技術者の育成を推進中。
・井須研究グループは、JST CRESTの研究チームに参加し、ナノ半導体構造による超高速光スイッチの実現に向けた基盤技術を確立。世界に誇る学術論文JPSJ Editor’s choice を受賞。直近の過去3年間で国際的学術雑誌24件掲載,国際会議30件の成果発表。

2) 人間情報工学研究部門
・野地研究グループは、遺伝子診断と遺伝子治療に関する新規方法を確立。権威雑誌ネイチャー出版Gene Therapy、英国発生生物学会雑誌Development、米国発生生物学会雑誌Developmental Biology、米国解剖学会雑誌Developmental Dynamicsなどに37編(2006~2009年)の論文掲載。国際学会招待講演など9回(2006-2009年)。
仁木研究グループは、超早期がんの高精度医療画像処理技術を確立。招待論文・講演(電子情報通信学会、Computer Assisted Radiology and Surgery)、IEEE8編(引用数700件以上)権威あるSPIE Medical ImagingでCum Laude Award(5回)受賞。科研(基盤A,特定領域班代表)、NEDO/JSTの大型予算獲得。国立がんセンターと京大医学部との共同研究を推進。
・青江研究グループは、言語理解による医療所見分析と病名推論技術を確立。IEEE (米国電気電子学会)論文誌など130編の論文掲載。NEDOプロジェクト「理解コンパイラの研究」「医療リスク警告研究」の代表。大学発ベンチャーで事業化推進。3年間の外部資金で約60名の研究補助員と研究推進。特許5件は、四国TLOを通じて、事業化ライセンスを実施。

※同部門の3研究グループは、研究連携による「人間生体情報分析・診断・解析システム」(平成20年度補正予算)を獲得している。

3) 地圏環境エネルギー研究部門
・橋本研究グループは、地球温暖化の制約条件で長寿命・資源循環型の再生コンクリート構造物の開発技術を確立。地域新生コンソーシアム研究事業「高性能再生骨材コンクリート製造用振動付与2軸強制ミキサの開発」、国土交通省「ASRの迅速判定およびハイブリッド陽極システムによるコンクリート膨張抑制手法」の研究代表者。
・杉山研究グループは、エネルギーの有効利用および環境浄化-資源再生の研究を確立。科研 (A)「希少資源リンの高度化利用に向けた新規リン戦略」の研究代表者、化学反応のプロセス化に関する社団法人化学工学会の理事。化学工学の分野で最上位のIFをもつJournal of Catalysisなどに31編(2006~2009年)の論文を掲載、国際会議67件(2006~2009年)の成果発表。平成19年度日本無機リン化学会学術賞受賞者。

以上、フロンティア研究センターは、ナノテクノロジー、ライフサイエンス、材料、IT、環境、エネルギーの重点研究の発展、人材育成、外部予算獲得、実用化研究による社会貢献を推進し、ソシオテクノサイエンス研究部の教育・研究におるリーダーシップを担っている。

3.平成21年度22年度の目標と研究計画
1) ナノテクノロジー研究部門
a)体制計画
ナノテクノロジー研究部門の3研究グループでは、教授3名、准教授2名、講師1名、助教1名、大学院生21名(博士後期5名、博士前期16名)の基盤体制に加え、外国人研究員3名、実践的な応用研究として企業からの共同研究員3名での連携研究体制を計画する。
b)研究計画
透明電極や超高速光スイッチの基盤研究を重点的に推進し、表面プラズモンや太陽電池、微小領域の先端加工技術の向上を図る。また、実践的なナノ領域制御に基づく新規デバイスに関して連携研究を計画する。

2) 人間情報工学研究部門
a)体制計画
人間情報工学研究部門の3研究グループでは、教授3名、准教授3名、講師1名、助教2名、大学院生73名(博士後期31名、博士前期42名)の基盤体制に加え、外国人研究員3名、実践的な応用研究として企業からの共同研究経費などによる雇用する研究支援者32名で連携研究体制を計画する。
b)研究計画
遺伝子とがん診断の支援法提案と検証法の確立し、所見分析による情報抽出と診断支援の評価技術、及び国立がんセンターとの実践的な共同研究を進める。また、大学発ベンチャーでの事業化を計画する。

3) 地圏環境エネルギー研究部門
a)体制計画
地圏環境エネルギー研究部門の2研究グループでは、教授2名、准教授2名、助教2名、大学院生31名(博士後期2名、博士前期29名)の基盤体制に加え、国内大手化学会社や県内製薬会社からの共同研究員5名の連携体制を計画する。 
b)研究計画
建設工学科のマクロ的な研究手法と化学応用工学科のミクロ的な研究手法の融合によるセメント材料を基盤とした学際的基礎手法の確立、確立手法の双方の重点研究への展開、展開した重点研究の実用化、特に長寿命・資源循環型材料およびプロセスの実用化に関する研究を計画する。

4.改革と将来計画案
フロンティア研究センターの研究グループは、その自覚の元に、上記に示すように卓越した教育研究実績をあげており、 平成23年度からも現研究グループによるフロンティア研究センターは、改革しながら継続すべきである。平成18年度から20年度の現状分析から、今後の改革案と将来計画案を以下に列挙する。

※以下は平成21年度から実施する改革点
1)研究グループの目標の公開
a)教育研究の具体的目標、成果、関連ニュースをフロンティア研究センターホームページに公開する。
b)教育・研究成果が著しく低下した研究グループは、再編成対象とする。

2)研究連携推進
a)学内研究グループのみならず国内外の研究機関との連携プロジェクトを推進する。
b)外部獲得予算を活用した、センター内での拠点研究の組織化や寄附講座設置などを推進する。

3)次期研究グループの選抜方法案
a)平成22年度後期に選抜する。
b)研究部の重点研究課題を中心として、平成18年度から22年度までの教育研究実績により、研究センター組織を編成する。特に、若手に関しては過去数年間の教育研究実績を考慮する。
c)研究実績については、権威ある欧文学術論文の掲載数(国際会議発表数も含む)、外部資金獲得、社会貢献(大学取得特許や実用化・事業化実績など)を中心として、卓越した実践研究成果を有しており、研究部のリーダーシップを継続して発揮できる研究グループとする。
d)教育実績については、博士後期課程を中心とした、大学院生の研究指導実績とともに、卓越した人材育成(進路・就職先)の実績を有しており、継続的な人材育成を達成できる研究グループとする。
e)現状の学科単位ではなく、研究部全体で組織する。

 

 

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